インスペクションー室内調査編・完

インスペクションー室内調査編・完

投稿日:2025年5月6日 / 最終更新日:2025年5月6日

みなさま、こんにちは。

つくば住宅工房の橋本です。

 

本日は、インスペクション-室内調査編・完をお送りしたいと思います。

床から壁材の順番でお話してまいりましたので、本日は、天井裏の調査について、お話していきたいと思います。

床下同様に天井にも点検口がございます。

押入れの天井についているケースが多いです。以外とみなさま、床下の点検口は、把握しておりますが、天井の点検口を把握していない方が多い印象です。この機械に天井の点検口をご自身で把握しておくといいでしょう。

その際に注意点は、マスクを必ず着用すること、です。

天井裏は、長年の埃がある場合がございますので、必ず着用してください。

それと、把握するだけで、中に入るのは、お勧めしません。その理由がこちらです。

釘が出ていたり、乗ってはいけない場所があったり、危険が多いので、お勧めしません。

 

主に以下の項目が調査内容になります。

・雨漏れの有無確認

・断熱材の状態確認

・構造躯体の状況確認

・耐震金物の設置状況確認

この調査で、雨漏れ跡が確認された場合、早急に処置をする必要がございます。

これから梅雨の時期に入りますので、少しでも心配であれば、調査をお勧め致します。

断熱材の状態確認では、築30年より以前の建物の場合、断熱材が入っていないケースがたまにあります。そして、お住まいの方も入っていると思っていたということが多いです。

断熱材が入っていなければ、外気温の影響をそのまま受けていることなりますので、夏は、暑く、冬は、熱が逃げてしまい、寒い状態になります。

こちらの写真は、我孫子市のインスペクションで、天井裏を撮影したものです。

お施主様も入っていないことを初めて知ったそうで、びっくりされておりました。

こちらもこれから訪れる暑い夏に備えて、一度、調査をお勧め致します。

グラスウールの断熱材を充填する工事であれば、30坪前後の建物の場合、15万〜30万の工事費となります。グラスウールは、コスト面では、1番抑えられる断熱材になります。建物の状態や工法によっては、他の方法が適している場合もございますので、一度、調査をさせて頂いております。

最後に、構造躯体や耐震金物の状態確認で、たまにあることとして、図面通りになっていないケースがあります。

こちらの写真は、千葉市のリノベーションプロジェクトが進行している建物の調査時の写真です。

図面には、通し柱が図示されていますが、実際は、入っていません。

耐震上に問題があるのか、ないのかを耐震診断にて、確認をしていきます。

過去のブログでもお話してきました耐震診断をする上で、筋交の状態をサーモカメラで確認したり、ファイバースコープでの壁内調査においても、現況と図面の差異を確認しております。

今でこそ、完了検査の実施が当たり前になってきましたが、築30年以前となると、確認申請は、実施していても、完了検査は、実施していないケースが当たり前のころでした。

現場の職人さんの判断で、図面から変えていることがあります。例えば、図面には、図示されている筋交が実際には、ない場合、多くは、他の場所に入っておりますので、そこまで、大事ではないですが、単純にない場合は、話が変わってきます。

現状の建物の耐震性を正確に診断するために、現況の状態を正確に確認する必要があります。

図面がない場合は、どうしたらいいの?と思われた方、ご安心ください。

図面がない場合は、建物の採寸を行い、図面を作成し、耐震診断を行います。

ただし、すべてを把握できない場合もあるため、精度が少し落ちてしまいますが、その建物のウィークポイントは、およそ把握できますので、図面がなくても調査は、可能です。

本日にて、室内調査編は、完結となります。

次回は、インスペクション・番外編をお送りしたいと思います。

 

著者プロフィール 
橋本 海知(はしもと かいち)

つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー

国家資格

二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者

技術資格

既存住宅状況調査技術者

福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。

新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。

家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。

  • 専門領域・関心分野
  • リノベーション/リフォーム
  • インスペクション
  • 耐震診断、温熱計算
  • 中古住宅の価値再生
  • 高性能住宅設計
  • 補助金制度活用・コスト最適化
  • 顧客との対話を重視した設計提案

メッセージ

「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」

橋本 海知(はしもと かいち)

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