リノベーションに向いている人

リノベーションに向いている人

投稿日:2025年8月11日 / 最終更新日:2025年8月11日

みなさま、こんにちは。
つくば市で戸建住宅のリノベーションをご提案しております、つくば住宅工房の橋本です。新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。
そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。
建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。


リノベーションが向いている人とは?暮らしに合わせて家をつくるという選択

新築を建てるか、中古を購入してリノベーションするか──家づくりを考えるとき、多くの人が最初に悩むポイントです。
新築はゼロから理想を描ける一方、土地や建築コストの高騰、環境負荷、立地の制約など、現実的な課題もあります。そんな中、「リノベーション」という選択が注目されています。

では、どんな人にリノベーションは向いているのでしょうか。ここでは、暮らし方や価値観の面から、その特徴を掘り下げていきます。

1. 住まいに“自分らしさ”を求める人

リノベーションの最大の魅力は、既存の空間を自分仕様に変えられる自由度です。
間取りや素材、色使いを自分の感性で選び、住まいにストーリーを込めることができます。

例えば、築30年のマンションを購入し、壁を取り払って広いLDKに。天井をあえてスケルトンにして配管を見せれば、インダストリアルな雰囲気に仕上がります。新築では難しい“味”や“経年変化の魅力”を楽しめるのも、リノベの特権です。

2. 立地や環境を優先したい人

人気の駅近や閑静な住宅街など、好立地の物件は新築だと高額で手が届かないことも多いもの。
しかし、中古物件なら選択肢が広がります。築年数が経っていても、構造がしっかりしていれば、リノベーションで性能やデザインを刷新できます。

「通勤・通学の利便性を確保したい」「子育てに適した学区を優先したい」といった条件重視の人にとって、リノベーションは柔軟な解決策になります。

3. “使えるものを活かす”価値観を持つ人

リノベーションは、既存の建物をベースに再生する行為です。
資源を無駄にせず、構造や基礎を活かしながら新しい価値を加えるため、環境負荷も軽減できます。

「物を大切に使い続けたい」「壊すより直して活かす方が心地よい」と感じる人にはぴったりです。

さらに、古い建物特有の梁や柱、木材の質感などは、新築では手に入らない希少な素材。そうした要素をインテリアとして活かせば、世界に一つだけの住まいが生まれます。

4. コストとクオリティのバランスを重視する人

新築に比べ、同じ予算でもリノベーションなら内装や設備にお金を回せるケースが多くあります。
例えば、土地や建築費に大半を割かれる新築よりも、立地や建物価格を抑え、その分キッチンや浴室、収納などの設備をグレードアップできるのです。

ただし、フルリノベーションでは新築並みの費用がかかる場合もあるため、費用配分の計画が重要です。この点を楽しみながら工夫できる人は、リノベーション向きといえます。

5. 既存の制約をポジティブに捉えられる人

リノベーションには、建物の構造や法規制などによる制約があります。
「この壁は抜けない」「窓の位置は変えられない」など、ゼロベースの自由設計とは異なる部分も多いです。

しかし、それらの条件を逆手に取り、「じゃあこの壁を利用して収納を作ろう」「窓の位置を活かして光を取り込む間取りにしよう」と発想できる人は、リノベの過程そのものを楽しめます。
制約があるからこそ生まれるデザインや空間の工夫は、住まいに独自の個性を与えます。

6. “家づくりの過程”を楽しめる人

リノベーションは完成形を買うのではなく、プロセスを一緒につくる体験です。
物件探し、設計打ち合わせ、工事の進行確認…と、施主が積極的に関わる場面が多くあります。

「自分の意見が形になっていく喜び」を感じられる人にとって、この過程は大きな魅力です。
逆に、全てをお任せして短期間で完成させたい人には、少し煩わしく感じるかもしれません。

まとめ

リノベーションが向いている人の特徴を整理すると、以下のようになります。

  • 自分らしい空間をつくりたい人
  • 立地や生活環境を優先したい人
  • 使えるものを活かす価値観を持つ人
  • コスト配分を工夫したい人
  • 制約をポジティブに捉えられる人
  • 家づくりの過程を楽しめる人

リノベーションは、新築と比べて「選択の自由度が高い」反面、「制約やプロセスへの関与」も求められる選択肢です。
自分の価値観や暮らし方に照らしてみて、「ちょっとワクワクする」と感じたなら、きっとあなたはリノベーションに向いているはずです。

著者プロフィール 
橋本 海知(はしもと かいち)

つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー

国家資格

二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者

技術資格

既存住宅状況調査技術者

福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。

新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。

家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。

  • 専門領域・関心分野
  • リノベーション/リフォーム
  • インスペクション
  • 耐震診断、温熱計算
  • 中古住宅の価値再生
  • 高性能住宅設計
  • 補助金制度活用・コスト最適化
  • 顧客との対話を重視した設計提案

メッセージ

「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」

橋本 海知(はしもと かいち)

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