自然の中で深呼吸をすると、ふっと心が軽くなったり、頭の中がリセットされたように感じることはありませんか？森の中の空気や、木々に囲まれた静けさには、私たちの心を落ち着かせる不思議な力があります。
もし、その感覚を 自宅で毎日味わえる ならどうでしょう。そんな暮らしを叶えてくれるのが「木の家」です。
木の家に憧れる方は多いですが、良いところだけを見て選んでしまうと、住み始めてから後悔につながることもあります。今回は、木の家が与えてくれる心地よさと、暮らし始めてから気になりやすい点について、わかりやすくご紹介します。
冒頭でお伝えした「心がリセットされる感覚」。これはイメージではなく、木が持つ特性が人間に良い影響を与えることが科学的に明らかになっているからです。
「フィトンチッド」とは、木が自分の身を守るために発する天然成分で、森林浴で感じるあの清々しい香りの正体と言われています。
フィトンチッドには次のような効果があります。
リラックス効果
ストレス軽減
血圧を安定させる
免疫力を高める
木の家で暮らすということは、まるで毎日自宅で小さな森林浴をしているようなもの。自然と心が整う住環境が生まれます。
木の素材には「1／fゆらぎ」と呼ばれる心地よいリズムが含まれています。これは、焚き火の炎や川のせせらぎ、木漏れ日など、人が「落ち着く」「癒される」と感じる自然のリズムと同じ性質です。
木目の模様や木の香りの変化は、人の心を自然とリラックスさせてくれます。
Q：床と床の間にすき間ができてゴミが溜まります。
A：これは木の特性によるものです。湿度によって伸び縮みするため、どうしてもすき間が生じます。気になったときに掃除機で吸い取るだけで問題ありません。
Q：床が凹んでしまいました。直せますか？
A：小さな凹みなら簡単に直せます。ティッシュに熱めのお湯をたっぷり含ませ、凹んだ部分に1日ほど置くだけで元に戻ります。それでも気になる場合は、木材用パテで補修可能です。
Q：木の家のメンテナンスがよく分かりません。
A：室内は基本的にメンテナンス不要です。ワックスも必要なく、年に1回水拭きをするだけで木の香りがよみがえります。
ただし、屋外部分はメンテナンスが必要です。雨風や紫外線で塗膜が劣化すると水分を吸うため、5年に1回程度の塗装をおすすめします。これは木の家特有というより、外壁全般に言えることです。
Q：水に濡れたら腐りませんか？
A：室内であれば問題ありません。水をこぼしたら拭くだけで十分です。放置するとシミになる可能性はありますが、濡れた程度で腐ることはありません。
「木はデリケートで扱いが難しそう」と思われがちですが、実際にはとても扱いやすい素材です。
小さなキズは直しやすい
経年変化を楽しめる
自然素材ならではのあたたかさ
見た目や香りで癒し効果がある
家じゅうを木で仕上げなくても、床・天井・建具などの一部分に取り入れるだけで、十分に木の心地よさを感じることができます。
「自然のぬくもりの中で暮らしたい」「癒される空間にしたい」という方には、木の家はきっと期待以上の豊かさを与えてくれるはずです。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」
