2025.04.09
みなさま、こんにちは。
プロジェクト進行中の「三世代が住み継ぐ家」の解体工事がおおよそ完了いたしました。
解体してみて驚きの状況が起こっていたので、中古住宅を取得する上でのポイントとともにお話したいと思います。
今回、リノベーションを行っているお家は、お父様が中古戸建を取得されたお家とお聞きしました。
建物の調査やお打ち合わせで何度もお邪魔しており、建物を見る限り、何度かリフォームされたんだろうと思っていたので、お父様にお聞きしたのですが、増築とキッチン交換くらいだとのことでした。
床のリフォームとかは、やられていないとのことで、なんとなく違和感がありましたが、解体してみて、それがわかりました。
お父様が取得される以前にリフォームを実施したのだと思います。
そして、そのリフォームがなかなかな状態になっておりました。
建築基準法施行令43条第4項には、「柱の欠き取り」に関する規定があり、柱の所要断面積の1/3を欠き取る場合は、その部分を補強しなければならないことになっています。
2本、主要構造部となる柱が1/2が天井から床までの部分がない状態でした。
また、その柱に対して、筋交いもあり、耐力壁としても重要な柱でしたが、これでは、本来の耐震性能を発揮しておりません。
間取りを見る限り、もともと柱の厚み(105㎜)がある壁でしたが、引込戸がついており、引込戸を設置するために柱を半分にしたのではないかと思われます。
いまでこそ、2018年4月1日の宅地建物取引業法の改正によって、不動産仲介会社に対するインスペクション説明が義務化されましたので、中古物件を取得する際に建物状況調査をして、劣化状況を確認したうえで、取得することができるようになっていますが、当時は、そのような義務化は、ありませんでしたので、不動産仲介会社からの説明もしくは、買主の目視確認でしか判断ができませんでした。
建築業を営んでいる私たちでも目視確認だけでは、そこまで把握するのは、なかなか難しいです。
今回、幸いにも発見できましたので、一部補強工事を行いたいと思います。
中古住宅を取得する上で難しいこととして、壁の中や床下、小屋裏等の目視確認が難しいということです。
実際に調査する際は、専用の調査機材や構造への知識がなければ、判断は難しいです。
そこで、前述いたしましたように今は、不動産仲介会社に対するインスペクション説明が義務化されましたので、中古住宅を取得を検討されている場合は、必ずインスペクションをしてもらいましょう。
弊社では、所有建物のインスペクションは、もちろんのこと、ご購入予定の建物のインスペクションも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。