みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
前回に引き続き、インスペクション-室内調査編・続をお送りしたいと思います。
壁、柱の傾きや床面の傾斜測定についてお話したいと思います。
傾きを調査する際に使用機材がこちらになります。

レーザー墨出し器と呼ばれるものです。
床の場合、機械から水平の線を出して、1部屋に対して4箇所ほど、床から線までの距離を測定し、各箇所の距離の差が大きい場合、傾いているということになります。品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、6/1000以上の勾配の傾斜の場合、構造耐力上主要な部分に瑕疵が生じている可能性が高いとされています。
6/1000とは、1つ目の測定箇所から1m離れたところで2つ目の測定をしたとき、測定値の差が6mmある状態です。6mmと聞くと大したことではないように感じる方もいるかもしれませんが、実際にその上を歩くと、傾斜に違和感を感じたり、人によっては体調不良の原因となる可能性もあります。
そのままの状態で住み続ける事は、構造耐力上と体への影響を考えると、決してお勧め出来ません。傾斜を修繕する工事を検討されるべきです。
傾斜を治す方法には、何が原因で、傾斜が発生しているのかを突き止める必要があります。
主に地盤の問題も建物の構造の問題が原因で起こります。
また、原因や築年数によっては、施工瑕疵に該当する場合や地盤保証の対象になる場合もございます。お手元の保証書がどこにあるのか、確認しておきましょう。
これは、一例ですが、今と比べると昔は、柱材や梁、基礎の精度がバラバラで、写真のように水平を出すために土台の下に木材をはめて調整している場合がございます。この木材がシロアリなどの原因でボロボロになってしまうと土台は、下がり、建物自体が傾く原因にもなります。

人によっては、あまり気にならない傾きでも、家には、大きな影響を与えている可能性がございますので、そのままにせず、専門の業者へご相談することをお勧め致します。
つくば住宅工房でもインスペクションを行っております。まずは、お気軽にご相談ください。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」