みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
前回のブログで話しきれなかったシロアリ被害についてお話ししたいと思います。
我孫子市のリノベーションにおいても、インスペクションを実施いたしました。
以前のブログでも、お話しいたしましたが、つくば住宅工房では、お問い合わせからインスペクションとインスペクション報告書と工事方針のご提案まで、費用をいただいておりません。
費用をいただかない理由は、その代わりとなる調査データをいただいているからです。
建物の状態は、築年数、工法、立地環境、周辺環境、建物の仕様、施工会社、家族構成、地盤の状態、など様々な条件によって、異なります。状態が違えば、対処すべき方法も違います。その建物にとって、最善の方法を高い精度でご提案するために、私たちにとって、調査データは、宝です。
精度の高いインスペクション、調査報告、工事方針のご提案をご提供するために、調査費用の代わりに調査データをいただいております。
話は、戻りまして、我孫子市のリノベーションで、実施いたしましたインスペクションにて、お風呂回りと和室にシロアリの被害を発見いたしました。そして、シロアリ駆除、腐食している部材の交換を工事方針の一つとしておりました。
先日、お風呂解体を行い、シロアリ被害の状況があらわとなりました。

こちらがシロアリの被害状況です。
土台の下半分がシロアリに食べられてしまってます。
浴室は、家の中で一番、湿気が溜まりやすく、特に今回のような床、壁がタイル張りになっている施工バスと言われるタイプがシロアリ被害が特に多いです。
フローリングが張られている床は、一般的に床下空間があるため、換気され、湿気が溜まりにくい構造となってますが、タイル張りの床の場合、床下空間がなく、モルタル、コンクリート、砕石もしくは土で埋め固められております。そのため、タイルより下に水が入ってしまった場合、外に出口がないため、湿気がどんどん溜まり、土台や柱が水分を吸ってしまい、腐朽菌が発生し、シロアリが侵入し、食べられるということになるわけです。

シロアリも確認しました。繁殖開始してますね。
とはいえ、床下空間があるから、湿気が溜まらないというわけではありません。
以前のブログでシロアリについて、解説いたしましたが、今でこそベタ基礎と言われる、床下の床面がコンクリートで施工される方法が一般的になってますが、昔は、布基礎と呼ばれるTの字を逆さまにした形の基礎が主流でした。布基礎の場合の床面でもコンクリートで施工されているケースもありますが、多くは、土や防湿シートです。防湿シートを敷いていれば、地面からの湿気を抑えられますが、土が露出したままの状態では、湿気の影響をまともに受けてしまうため、シロアリにとっては、絶好の環境になります。定期的に床下を点検して、湿気を逃がす処置ができれば、シロアリ被害にあいにくいかもしれませんが、なかなかそこまで手が回りませんよね。
出来れば、床下にコンクリート、防湿シートを施工する、調湿材を敷くといった、湿気が上がりにくい処置をしていただくのがお勧めです。
以外に多いのが、住み始めてから一度もシロアリの予防工事をしていないケースです。
1回のシロアリ予防工事の費用は、25~35万で済みますが(30坪前後の2階建て住宅の場合)、シロアリ被害にあってしまうと、その費用では済まないケースが大いにあります。
悪いことはいいません。このブログを見て、床下を一度も調査してもらったことが無いのであれば、早急に専門業者に点検してもらってください。
つくば住宅工房では、リアルタイムの調査報告を取り入れております。床下調査についても、床下のお写真をその場でご確認いただける仕組みとしておりますので、ご安心ください。
本格的に梅雨入りする前に、繁殖する前に、インスペクションを。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」