その広さに意味はあるのか

その広さに意味はあるのか

投稿日:2025年5月23日 / 最終更新日:2025年5月23日

みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。

新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。


 

Googleフォトを利用されている方は、ご存知かと思いますが、携帯のホーム画面に「あれから〇年」という通知を開くと、写真のスライドショーが流れる機能が付いています。

あれから6年のスライドショーで、つい最近手放した車の写真が流れてきました。

みなさま、「ローバーミニ」という車をご存知でしょうか。

1959年にイギリスで誕生した、当時は革新的な車として、今でも世界中で愛されている名車です。

全長約3m、全幅約1.5m、全高約1.3mと、とても小さなサイズでありながら、機械類をフロントに集約し、車内の空間を最大限まで広くする設計でした。

当時としては珍しかった前輪駆動車でありましたが、それより驚きなのがエンジンの下にあるオイルパンの中にギアボックスを組み込み、“2階建て”にしてスペースを節約したのです。

いつ見ても素敵なプロポーションです。

無駄を最大限そぎ落としつつ、必要なスペースを最大限確保した設計。

普段、あまり多く荷物を持って移動したくない私には、ちょうどいい広さでした。

私個人の感想ですが、現代の車は、無くても何とかなる機能が、無くてはならない機能になってしまっており、その分価格も上がって、室内は、ソファーくらい広々しているが、ぶつからないかびくびくしながら運転している、なんだか、結果的に±0のような気がします。

家づくりも同じです。

家族ごとでも、一人ひとりでも、ちょうどいい広さは違うと思います。

その家族に合ったちょうどいい広さを検討せずにカタログから家を選ぶのは、非常にコストパフォーマンスが悪いと考えます。

ご検討されている家づくりが注文住宅ならなおさらです。

自分たちが理想としている暮らしや生活スタイルは、いったいどれくらいの広さがあれば足りるのかを算出したうえで、そういった考え方に共感してくれる住宅会社と家づくりのご相談をされることをお勧めいたします。

とはいえ、どうやって暮らしの大きさを算出したらいいのかと疑問を持たれている方がいらっしゃるかと思います。

そこで私たちの出番です。

以前ブログでお話させていただきましたヒアリングを徹底的に行います。

例えば20畳のLDKだとしても、部屋の形が長方形なのかL字型なのかで、広さの感覚は全く異なります。

また、壁に囲まれた4.5畳は狭く感じるが、窓がついていて、その先に遠くの景色が広がっている6畳だったら狭さを感じない、など部屋に付加する要素によっても広さの感じ方は変わります。

これは個人差が必ずありますので、一般的な間取りに流されず、ご自身に合った間取りに出会うための努力を惜しまないでいただきたいです。

広いことが無駄だと言っているわけではありません。

その広さに意味を持たせられているかというお話です。

決して安い買い物ではありません。

本当は、ローバーミニのデザインについてもお話したかったのですが、本日はここまでとさせていただきます。

著者プロフィール 
橋本 海知(はしもと かいち)

つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー

国家資格

二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者

技術資格

既存住宅状況調査技術者

福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。

新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。

家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。

  • 専門領域・関心分野
  • リノベーション/リフォーム
  • インスペクション
  • 耐震診断、温熱計算
  • 中古住宅の価値再生
  • 高性能住宅設計
  • 補助金制度活用・コスト最適化
  • 顧客との対話を重視した設計提案

メッセージ

「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」

橋本 海知(はしもと かいち)

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