みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
外壁の塗替えって塗装だけだと思ってませんか?
左官仕上げによる外壁リフォームがあります。
リフォームというかリノベーションです。
左官について少し触れつつ、左官仕上げの種類をいくつかご紹介したいと思います。
ここで豆知識。
左官と呼ばれる由来は、いくつかあるようですが、建築において、骨組みを作る大工のことを「右官」と呼んでいたことから、それに対して壁塗りの職人を「左官」と呼ぶようになったという説です。
当時は、大工さんに並ぶ重要な役割を担っていたんですね。
左官職人による仕上げ方を左官仕上げと呼ばれます。仕上げ方は、十人十色です。
職人さんや設計、施主の感性で仕上げ方は、変わります。
とはいえ、感性を伝えるのは難しいため、「コテ仕上げ」といった仕上げ方の名前が付けられております。
左官仕上げで使用する材料によっても見た目も風合いも変わります。
主に左官仕上げで使われる素材がこちらです。
たくさん種類がありますね。
この中でおすすめしたい素材として、今日は「シラス壁」と「モルタル」をご紹介していきたいと思います。
シラス壁

出所:高千穂シラス 公式ホームページより
シラスとは、火山噴出物が原料となっており、鹿児島県から宮崎県南部にかけて、最大150メートルもの厚さでシラスが積み重なっている広大なシラス台地が原産です。

出所:高千穂シラス 公式ホームページより
非常に細かい微粒子の中に無数の穴が開いた複雑な構造を持っています。シラスの主成分である珪酸は、除湿剤の主原料でもあり、これによってシラス壁には優れた調湿機能があります。また、シラスに含まれるアルミナはガスの吸着性能が高く、シラス粒子中の空洞にニオイや化学物質の分子を吸着します。
これは人工では、作りえない奇跡の素材と言えます。
また、シラスと同じ火山噴出物はイタリアにもあり、ローマ時代につくられたパンテオン神殿や、古代エジプトのピラミッドにも古代コンクリートの原料として使用され、今もその姿をとどめているほど耐久性があります。シラス壁は着色にも天然の鉱物顔料を使っているので、紫外線に強く、色あせや劣化もほとんどありません。
モルタル
モルタルは、みなさまも聞かれたことがあるかと思います。砂とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料です。
今日は、モルタルでの仕上げ方をご紹介したいと思います。
それが「モルタル掻き落とし仕上げ」と言われる仕上げ方です。

その名の通り、モルタルをコテで塗ったあと表面が乾く前に掻き落とし機やブラシなどで表面を掻き、凹凸のあるテクスチャを出す仕上げ方法です。
セメントペーストの色 、 骨材の色と大きさ 、 掻き落とし方法 などによって様々な表情が出せる為、左官屋の個性が出しやすく、施主や設計士の要望も聞く事により 世界でただ一つの壁を作る事も可能 です。

掻き落としたことで現れる様々な色の骨材が壁一面に広がり、自然にできた壁のような仕上がりになります。時間と共に外壁に付着する汚れと呼ばれるものさえも自然の素材とて仕上げの一部と思わせるほどの自然な風合いとなります。
今日、ご紹介いたしました2つの仕上げ方は、既存の外壁が左官仕上げでなくても工事が可能です。例えば、流通が多い窯業系サイディングと呼ばれる外壁材にも施工が可能です。
実際の施工例
before

after

外壁のメンテナスをしたいけど、テカテカの塗装は嫌だなぁと思われている方には、特におすすめです。
外壁メンテナスを維持するためだけではなく、住まい手が長く愛せるための外壁リノベーション。
サンプルなどもご用意しておりますので、ご興味ございましたらお気軽にご相談ください。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」