みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
価値とは、単に価格や機能といった表面的な要素だけではなく、空間が持つ記憶や素材の質感、そこに息づく思想によって形成されるものです。建築において、こうした価値の在り方を見極めることは重要であり、リノベーションとはそれを再解釈し、現代に調和させる営みとも言えます。
歴史を尊重し、新たな命を吹き込む設計
リノベーションの本質は、単なる改修ではなく、空間の歴史と未来を結び付ける試みにあります。例えば、日本の町屋を現代の住まいへと蘇らせる際、伝統的な木組みや土壁の風合いを活かしつつ、現代の生活様式に寄り添うような設計が求められます。過去の価値を保存するだけではなく、そこに新たな用途を与え、豊かな暮らしへと昇華させることが大切です。
素材が語る価値の継承
建築における素材選びは、単なる意匠ではなく、その土地の文化や歴史を映し出す重要な要素です。リノベーションの際、新しい素材に置き換えるのではなく、既存の材料が持つ独自の質感や特性を活かすことで、空間が持つ物語を継続させることができます。例えば、長年使われた木材の温かみや、時を経て風合いを増した石材を活用することで、歴史と現代が調和する空間を創造することが可能です。
暮らしの中で育まれる価値
リノベーション後の空間は、完成した瞬間が終わりではなく、そこに暮らす人々が愛着を持ち、日々の営みを重ねることでさらに価値が深まっていきます。経年変化を楽しめる無垢材の床や、職人の手仕事が感じられる漆喰の壁は、時間の流れとともに味わいを増し、住まう人の記憶と結びついていくでしょう。
リノベーションとは、単なる建物の再生ではなく、過去の価値を未来へと継ぐ創造的な行為です。建築家はその空間が人々にとってどのような意味を持つのかを問い続け、時代を超えて愛される建築を形作っていきます。
住まいは単なる空間ではなく、心を落ち着かせ、豊かにする場です。リノベーションで、新たな価値を見つけませんか?
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」