住まいの不安を解決するインスペクション—築21年の木造住宅を調査しました

住まいの不安を解決するインスペクション—築21年の木造住宅を調査しました

投稿日:2025年6月17日 / 最終更新日:2025年6月17日

みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。

住まいのちょっとした異変は、気になりつつもそのままにしてしまうことが多いものです。今回は、寒い時期になるとリビングの天井から「パキパキ」と音が鳴るというご相談をいただき、茨城県牛久市にてインスペクションを実施しました。

建物の概要と調査の背景

調査対象は、築21年の木造・在来工法の建売住宅です。築21年というと、新耐震基準が施行された2000年以降の建物であり、確認申請書や図面、JIOの瑕疵保険加入履歴、耐震金物の写真なども残っていることから、書類上では安心できる住宅と言えます。

 

 

 

インスペクションの実施内容

今回の調査では、以下の項目を中心に目視によるインスペクションを行いました。

• 構造の健全性(躯体の木材の水分量、接合部の確認)
• 床下調査(湿気・シロアリ被害の有無)
• 屋根・外壁の劣化状況(ひび割れ・防水性能の確認)
• 断熱性能(室内の暑さ・寒さの原因調査)

調査当日は雨が降り続いていたため湿度の影響を懸念していましたが、実際には木材は乾燥気味で、健全な状態でした。おそらく、この乾燥のしやすさが寒い時期の「パキパキ音」に繋がっているものと考えられます。しかし、構造上の問題ではなく、住宅の安全性には影響がないため、どうぞご安心ください。

 

その他の調査内容についても次回以降、ブログにてご紹介していきたいと思います。

今後の対応とご提案

調査内容を報告書にまとめ、次回は工事方針のご提案を行います。

お住まいの環境や築年数によって、気になる症状はさまざまですが、一つひとつ専門的に確認することで、より安心して暮らせる住まいづくりが可能になります。もし気になる点があれば、ぜひお気軽にインスペクションをご依頼ください。

著者プロフィール 
橋本 海知(はしもと かいち)

つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー

国家資格

二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者

技術資格

既存住宅状況調査技術者

福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。

新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。

家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。

  • 専門領域・関心分野
  • リノベーション/リフォーム
  • インスペクション
  • 耐震診断、温熱計算
  • 中古住宅の価値再生
  • 高性能住宅設計
  • 補助金制度活用・コスト最適化
  • 顧客との対話を重視した設計提案

メッセージ

「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」

橋本 海知(はしもと かいち)

こんな記事も読まれています