みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。
そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
今日の最高気温は、つくば市で32℃。
まだ梅雨が明けていない7月初旬とは思えないほどの暑さに、窓を開けても風は感じられず、入り込んでくるのは熱そのもの。
エアコンが効かない部屋、寝苦しい夜、ぐったりする子どもの姿…。そんな日でも「うちは大丈夫」と思っていませんか。
ちなみに、茨城県内で最も高かったのは水戸市の33.5℃。
昨年の同時期は30℃前後だったことを思えば、今年の夏はすでに“異常”の域に入りつつあります。
気象庁も「平年より高温傾向が続く」と警戒を呼びかけており、体感的にも“去年よりも確実に厳しい夏”が始まっています。
多くの方が「自宅こそが安心できる場所」だと信じています。
しかし、総務省消防庁の調査によれば、熱中症による救急搬送の約45%が屋内(住居・公衆施設)で発生しており、
そのうち特に多いのが自宅内での発症です。高齢者や子どもは暑さを感じにくく、室内でも深刻なリスクがあることは見過ごせません(※消防庁 熱中症関連情報)。

築年数が経過した住まいでは、窓や壁からの熱侵入が深刻です。
断熱されていない空間は、まるで熱を集める箱のように暑さを溜め込んでしまいます。
北海道の研究機関では、断熱・窓・気流止めの改修により暖房エネルギー負荷が最大75%削減された事例が報告されています(※北海道総研資料)。

本当の安心は、「平気だと思うこと」ではなく、「備えていること」。
国土交通省が実施したスマートウェルネス住宅調査では、断熱改修後に起床時の最高血圧が平均3.5mmHg低下したとされており、
これによって脳卒中や心疾患による年間死亡数が最大1.5万人減少する可能性があるという推計もあります(※国交省 PDF資料)。

断熱改修は、室温を下げるだけでなく、睡眠・呼吸・心の落ち着きにまで影響を及ぼします。
エアコンを強めて耐える暮らしではなく、家そのものが涼しさで包み込む存在になる——それが断熱の力です。
また、外断熱を施したマンション事例では、夏・冬ともに電気代が平均5~10%削減されたという調査も報告されています(※居住者評価 PDF資料)。

経済的負担を減らすだけでなく、暮らしの質を底上げする選択といえるでしょう。
子どもや高齢の方は暑さに敏感です。
命を守るためには、「大丈夫」と言えるだけの根拠ある安心が必要です。
断熱改修は、家族への思いやりのかたちにもなります。
「昔よりも、家の中が静かで心地いいね」——そんな言葉が聞けたら、それが最高の結果かもしれません。
この暑さを、ただ“耐える”のではなく、
家族の命を守る家に変えていくことができるのが断熱改修です。
この夏、あなたの家は家族を“守れる空間”ですか。
今の暮らしに、断熱という優しさを添えてみませんか。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」