みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。
そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
今回は、我孫子市で進行中のリノベーションプロジェクト「バトンリレーの家」から、現場の最新状況をご報告します。
現在、2階の木工事は最終段階に差し掛かっています。
改修前は3部屋だった間取りを、4部屋+ウォークインクローゼット(WIC)に再編成することで、新たな空間の流れと暮らし方が生まれつつあります。

リノベーション特有の課題──「水平・垂直が出ない」ことの本質
リノベーションは、新築とは異なる複雑さを伴います。
既存の構造と向き合いながら、新しい価値を加えていくには、職人の丁寧な判断と技術が不可欠です。
とりわけ、「水平・垂直が出ない」という現実は、改修ならではの緊張感を象徴しています。
どこに基準を置くか、違和感を最小限に抑えるにはどうするか──現場で繰り返される試行錯誤が、そのまま空間に表情を与えていきます。

残すものと更新するもの──建築に宿るバトンの思想
残す部分と更新する部分が交差するリノベーションにおいては、職人の思考や選択がそのまま空間に刻まれます。
それは施工の痕跡であると同時に、暮らしの継承と再解釈を意味するもの。
新旧の揺らぎの中にこそ、人間的な豊かさが現れるのではないでしょうか。
建築とは、過去から未来へと価値を手渡す「バトンリレー」である──この家づくりには、そんな哲学が息づいているように感じます。

完成間近──光と季節のなかで暮らしが育つ
完成まで、いよいよあと少し。
これから、この空間にどのように光が差し込み、季節とともに暮らしに馴染んでいくのか。
そうした日常の積み重ねもまた、「バトンリレーの家」の物語を紡ぐ大切な一章になることでしょう。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」