みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
前回に引き続き、インスペクション-外部調査編をお送りしたいと思います。
本日で、外部調査編は、完結となります。
調査の話ばかりで、飽きられていないか心配ではありますが、調査内容を知ることで、身近に感じていただけると思います。ぜひ、最後までご覧いただけますと幸いです。
外壁の次は、屋根の調査です。
みなさまは、住宅の屋根といえば、どんな形や素材を思い浮かべますか?

最近では、技術が進歩して、軒の無い屋根の建物があったり、耐久性の高い、ガルバリウム鋼板の屋根材が主流になっています。
屋根は、外壁を雨や風から守ったり、室内への直射日光を調整する役割を持っています。
直射日光に対しては、窓ガラスや断熱材の性能が向上し、屋根で遮蔽(直射日光を遮ること)せずとも、室内環境を快適にすることが、可能となってきましたが、毎年のように最高気温が更新され、改めて、屋根、軒の重要性が高まってきております。建てる場所の環境や状況に合わせて、屋根の形や軒の長さ、窓の大きさや位置を変えて、日射をコントロールすることで、自然エネルギーを最大限活用するパッシブハウスという、住宅も増えております。
少し、お話が逸れてしまいましたので、調査に話を戻したいと思います。
つくば住宅工房では、ドローンを使った屋根調査を行っております。

国の重要施設や空港付近など、ドローンが飛ばせないエリアもございますので、事前に確認し、近隣の方へもお声がけをした上で、調査を行います。
ドローンのカメラを通して、屋根の劣化状況を確認します。
真上から建物を見たときの家の形ですが、近年の建物の形と比較すると、昔の家は、凸凹が多い傾向にあります。
凸凹が多くなると屋根の形も複雑になり、角や隅の部分も多くなります。

こちらの写真は、我孫子市で調査をご依頼いただいた建物をドローンで撮影した写真になります。
この角や隅は、屋根と屋根を合わせておりますので、屋根の防水が機能しなくなると、雨漏れがしやすいばしょになります。
これは、外壁にも同じことが言えます。
また、多く劣化が多くみられる部位としては、屋根の先端部分です。下から屋根の先端を除くと、屋根の合板材が見えている建物も多くあります。風が強い時の雨の場合、雨が舞い上がって、合板材に当たり、雨を吸ってしまい、腐食しているケースがあります。
こちらは、千葉市にて建物調査のご依頼をいただいたお家の軒先の写真です。
合板が見えますでしょうか?

一番に雨や日光の影響を受ける部分ですので、メンテナンスがとても重要になります。
屋根の塗装だけで済めば、御の字です。
屋根の状態から、塗装や吹替、カバー工法など、ご予算に合わせたベストな工事方針をご提案いたします。
屋根の吹替は、下地合板からやり替える必要が出てくるケースもあり、塗装の4~5倍になりますので、そうなる前に調査を行い、メンテナンスすることを強くお勧めいたします。
最後に、屋根の調査に関して、「スーパーサラリーマン」のニュースが記憶に新しいと思います。
点検商法でリフォーム詐欺を行っていたニュースは、私たち建設業界にも大きな影響を与えました。
私たちの調査では、建築士である私と、今回であれば、屋根の専門業者によるプロ集団で調査を行っております。また、調査にドローンのリアルタイムのカメラ映像を一緒にご覧いただくなど、ご依頼者様にご安心いただける調査方法としております。
本日で「外部調査編」は、完結となります。
次回、「室内調査編」をお届けしたいと思います。
いつも、最後までお読みいただきありがとうございます。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」