2025.05.04
みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
本日は、インスペクション-室内調査編をお送りしたいと思います。
室内は、以下の項目について、調査を行います。
・シロアリ調査
・壁、柱の傾きや床面の傾き測定
・耐震診断のための構造確認
・浴室内や屋根裏の雨漏れ調査
・壁内の断熱材状況、雨漏れ調査
その他に
・設備機器の不良確認
・床、階段の段差計測
・火災報知器設置状況の確認
本日は、シロアリ調査について、お話したいと思います。
つくば住宅工房では、専門のシロアリ駆除業者へ依頼しております。
調査範囲は、建物周辺と室内、床下になります。床下は、潜って、ぐるりと目視確認です。
建物の作りによって、潜れないケースもございますので、その場合は、建物周辺や室内の調査となります。
みなさんでも、見たらわかる、シロアリが建物内に侵入している状態がこちらです。
我孫子市で建物調査をご依頼頂きました際の調査写真です。
こちらは、蟻道(ぎどう)と呼ばれます。
名称の通り、シロアリが通っている、通った形跡になります。
まずは、建物の基礎部分をぐるっと見てみてください。
この蟻道があったら、すぐに調査をしてもらってください。
そもそも、なぜ、シロアリが発生するのかというと、これは、シロアリが何を食べているかからお話したいと思います。
腐朽菌によって分解された木材を食べています。どういうことかというと、まず、湿気や雨漏れによって、木材の含水率が20%以上になると、腐朽菌が発生します。腐朽菌は、木材の含水率が高く、湿度が適度に保たれていて、酸素が供給されている条件の場合、発生しやすいです。
腐朽菌は、木材をセルロースへ分解し、セルロースをシロアリが食べてきて、結果的に木材がボロボロになるというメカニズムになっております。
このメカニズムを知っているのと知らないのとでは、ご自身でも出来る予防の仕方も変わりますので、ぜひ覚えておいてください。
こちらは、義害が確認された写真です。完全にやられてますね。
腐朽菌が好む条件が発生しやすいのが、床下です。今では、床下がコンクリートになっていることが普通になってきましたが、30年前の建物となると、土の状態の場合があります。土が見えているということは、湿気が発生しやすいということになります。また、床下の換気もそこまで考えられていない頃でしたので、より湿気が溜まりやすい空間になっていました。
その他、腐朽菌が発生しやすい場所として、浴室の出入り口やキッチンなどの水回り、雨漏れや結露が発生している場所があげられます。
以前、八千代市のリノベーションで、調査の際は、可能な限り、目視確認を行いますが、どうしても動かせない家具があり、家具の後ろが確認出来ませんでした。工事が始まり、家具を動かしたら、雨漏れが発生しており、シロアリにやられていました。
普段、見えない場所、押し入れの中や家具家電の後ろなども一度、見て確認してみてはいかがでしょうか。
調査の際には、モイスチャーファインダーという調査道具を用いて、木材の含水率を計測します。
仮にシロアリが発生していなくても、木材の含水率が高い場合は、湿気対策が必要になります。
床下が土の場合は、コンクリートを打設して、地面からの湿気をシャットアウトしたり、防湿シートを敷いて、さらに調湿材を敷いて、湿気の上昇を防ぐなど、方法は、いろいろあります。
まずは、ご自身で、蟻道の有無や普段見れない箇所の確認、あとは、建物の通気口を物置などで塞いでいないか、建物のそばに木材が置かれていないか、この機会に確認してみてください。
気になる状況がございましたら、お気軽にご相談ください。