2025.06.13NEW
みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
「建築家」でみなさまが思い浮かべる人物は、誰ですか?おそらく「隈研吾」ではないでしょうか。新国立競技場の設計をした建築家として知らない人はいないのではないでしょうか。実は、茨城県に隈研吾が設計した建物がいくつかございますので、今日は隈研吾が設計した茨城県の建物に触れていきたいと思います。
建築は単なる「空間」ではなく、その土地の風景や時間を包み込む存在です。隈研吾氏の建築を拝見すると、地域の空気や文化をやさしく受け止めるような感覚を覚えます。特に茨城県境町には、同氏が設計した建築が6棟点在しており、それぞれが独自の表情を持ちながらも、町の景観に調和しております。
例えば、「さかいサンド」は、木の格子が特徴的なサンドイッチ店でございます。境町の食材を活用したサンドイッチを楽しめるだけでなく、建築そのものが温もりのある空間を作り出している点が魅力です。木材を用いたデザインは、隈研吾氏の「素材の語りかけ」を大切にする思想が反映されております。
出所:建築写真の斎藤写真事務所
また、「S-Gallery 粛粲寶美術館」は、画家・粛粲寶氏の作品を展示する美術館でございます。建築とアートが響き合い、静かで落ち着いた時間が流れるこの空間は、木材を多用した設計によって穏やかな雰囲気が醸し出されております。作品そのものを引き立てるだけでなく、訪れる方々に安らぎをもたらす造りとなっております。
出所:隈研吾建築都市設計事務誌
「境町の建築群に限らず、筑西市の「廣澤美術館」も隈研吾氏の設計によるものです。約6,000トンの自然石を使用したこの美術館では、石そのものが主役となり、時間の積み重ねを感じさせる空間を創り出しております。庭園との調和も美しく、建築が風景の一部として存在していることを実感できる場となっております。
隈研吾氏の建築は、決して主張しすぎることなく、静かにその場の空気を形作ります。木や石といった自然素材を活かしながら、時間とともに馴染んでゆくことで、より豊かな空間となるのです。境町や筑西市の建築を巡ることで、氏の「やわらかな建築」の魅力をより深く感じることができるでしょう。
建築は、ただ目で見るものではなく、感じるものです。隈研吾氏の建築に触れることで、空間が持つやさしさや、時間の流れを包み込む力を改めて実感できるはずです。