SNSや動画でいろいろな家を見られるようになりました。ところが、見れば見るほど迷ってしまう方もいます。情報が足りないからではないと思います。家のことを考える前に、自分たちの暮らしについて考える機会が少ないからです。
間取りは、図面から考え始めると難しくなります。それよりも、今の一日を思い浮かべてみるほうが分かりやすいです。
朝、誰が一番に起きるのか。洗面所を使うのは誰か。学校から帰った子どもは、ランドセルをどこに置くのか。仕事から帰ってきた大人は、上着やバッグをどこに置くのか。夜、家族はどこに集まるのか。
洗濯も同じです。洗う。干す。取り込む。たたむ。しまう。一つの家事に、これだけの動作があります。洗濯機から物干し場までが近いことだけが、良い家事動線(家事をするときの動きの道すじ)とは限りません。どこで何をするのかまで考えると、収納の場所や広さも変わってきます。
間取りは、家族の暮らし方を図面に置き換えたものです。だから、暮らしやすい間取りに一つの正解があるわけではありません。その家族の一日に合っているかどうかです。
打ち合わせでは、ふだんの一日をそのまま聞かせてください。そこから一緒に考えます。