みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
つくばの空き家に、もう一度 灯りをともそう
— 建築家と考える、やさしい再生のかたち —
つくばといえば、「研究学園都市」としての顔がよく知られています。でも、少し郊外へ足をのばせば、昔ながらの団地や住宅地のなかに、人の気配が消えたままの家々に出会います。
2022年の時点で、つくば市には約4,000戸の空き家があるといわれ、そのうち1,500戸以上がきちんと管理されていない可能性もあるそうです。
でも、私たちは思うのです。
空き家はただの空っぽの箱ではなく、その場所に流れた時間や、誰かの暮らしの跡が詰まった“余白”なのだと。
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建築家がかかわることで、家は「風景の主役」に
長く使われず、傷んでしまった空き家でも、建築家の手が入ることで、まちの中で輝きを取り戻すことがあります。
たとえば、古い柱を生かしながら断熱を高めたり、地元の素材を取り入れて外壁を塗り替えたり。そんな風に丁寧に手をかけることで、家が地域の風景に自然となじみながらも、「あの家、なんだか素敵だね」と人の目を引くようになる。
誰かが手を加えた家には、もう一度、人が足を止めます。
灯りがつくと、まち全体がほっと息をつくような気がするのです。
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リノベーションは、まちに“安心”を育てる
整えられた家があるだけで、周りの道や風景の見え方が変わってきます。
草が刈られていて、庭が手入れされていて、窓にはカーテンがかかっている。そんなちょっとした“暮らしの気配”が、地域の防犯や防災への意識にもつながるんですね。
それに、空き家をカフェやシェアスペースに活用すれば、人が集まる場所になって、地域ににぎわいや新しい出会いが生まれるかもしれません。
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そして、こんなふうに考えています
私たちは、建築家が空き家リノベーションに関わることで、家が「ただの建物」から「まちのひとつの語り手」になれると思っています。
それは、かつての暮らしをそっと引き継ぎながら、これからの時間を迎えるための準備でもあるのです。
建物をただ残すのではなく、その場所に宿ってきた思いを、
未来につないでいくこと。
それが私たちの考えるリノベーションです。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」