先日、千葉県香取市の佐原の町を歩いてきました。小江戸と呼ばれる町です。歴史ある建物が軒を連ね、水路がゆるやかに流れています。その音を聞きながら、江戸時代の暮らしはどんな感じだったのだろう、と考えていました。
江戸の町では、器が欠けたら修繕し、鍋が壊れたら鋳掛け屋(鍋や釜を直す職人)に持ち込んでまた使う。そんな文化が当たり前にありました。ものを買って終わりではなく、育てながら使う。その感覚が暮らしに根付いていたように思います。
今のリノベーションの仕事にも、どこか通じる気がします。古い建物に触れるとき、ただ直すというより、その場所に刻まれた時間とやりとりしているような感覚があるのです。
江戸の家には、土壁や障子、縁側、深い軒といった工夫がありました。冷暖房に頼らず、風や光をうまく取り込む。自然を遮るのではなく、穏やかに受け止めていました。
もちろん、江戸時代に戻ることはできません。それでも、ものを大切にすること、自然と共にあることには、今の家づくりのヒントが詰まっていると思います。
古い家を壊すか直すか迷っている方は、一度お話を聞かせてください。