みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。
そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
ここ最近、街を歩けばキューブ型のシンプルでスタイリッシュな住宅が目に留まります。軒ゼロの端正なフォルムは、現代の美意識にぴたりと合っており、防水技術の向上もその実現を後押ししています。
けれど今、私の中で軒のある家に惹かれる気持ちが強まっているのです。その理由は、単なる「懐かしさ」ではなく、「軒」が持つ深い意味にあるのかもしれません。
機能性の中にあるやさしさ
軒は、家を雨風や日差しから守るだけでなく、建物そのものの耐久性を高めてくれます。
• 雨から家を守る
外壁や窓への雨の直接的な影響を和らげ、劣化や汚れを防ぎます。
• 日差しのコントロール
夏の強い陽射しを遮り、冬には穏やかな日差しを取り込むことで、室温の調整に貢献します。
• 外壁の保護
紫外線や風雨の影響から外壁を守り、家の寿命を延ばしてくれます。
• 軒下空間の活用
洗濯物を干す、作業場としたり──日常の中に静かな便利さを加えてくれます。
これらの機能が導くもの。
それは、私たちの暮らしにそっと寄り添う「安心」です。
空間が語りかける情緒──軒という詩
軒下で雨音に耳を傾けた記憶。夕暮れ時、風に吹かれる洗濯物を眺めながら交わした家族の会話──そういった情景が、軒という空間に宿っています。
軒とは、建築の中の「詩的な余白」。合理的に最適化された空間にこそ、こうした人間らしい揺らぎや間が必要なのではないでしょうか。軒があることで、空間は言葉にしにくい優しさを纏い、そこに住まう人々の心を静かに包み込んでくれます。
現代の建築は、美と機能に磨きをかけながらも、こうした「余白の哲学」を忘れかけているように思うのです。
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最後に──軒のある暮らしを、もう一度
合理性が重んじられる時代にこそ、軒のもたらす「安心」や「情緒性」は、新たな価値を放っています。
リノベーションで、軒のある暮らしを手に入れてみませんか?
家に少しだけ「余白」を加えることで、暮らしはぐっと豊かに、心地よく変わるかもしれません。軒下で過ごす、穏やかなひととき──その一瞬こそが、住まいと人との深い関係性を象徴しているのです。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」