2025.07.12NEW
みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。
そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
私たちの暮らしは、時間とともに静かに、しかし確かに変化していきます。
かつて必要だった広さ、役割、動線——それらは今の生活にそのまま馴染んでいるでしょうか。
新築時に描いた理想と、今感じている日常のかたち。
その間には、家族構成の変化や働き方の多様化、価値観の揺らぎなど、いくつもの小さな転機が積み重なっています。
今の時代にふさわしい住まいとは、そうした変化に気づき、しなやかに応えていく住まい。
思い出をそのまま残すのでも、すべてを一新するのでもない——
必要なものを見直し、大切なものを継ぎながら、暮らしを整えていく住まいです。
たとえば、子どもとの暮らしを見据えて広く設計した住まいも、今では使われていない空間が残されていることも少なくありません。
そのままにしておくのではなく、「今の暮らし」に合わせて住まいを再編集する——その発想が、住まいの価値をより深めてくれます。
住まいの見直しにはさまざまな方法があります。
使われていない空間を手放す「減築」は、住まいのスケールを整えると同時に、暮らしの質を高める選択肢。
また、家全体を壊すのではなく、構造や素材に宿る記憶を活かしながら空間を再構成する「リノベーション」は、過去と未来をつなぐ設計手法でもあります。
たとえば、 ・かつての子ども部屋を趣味や仕事の場へと変える
・余ったスペースを収納や多目的エリアとして活用する
・廊下や納戸を取り込んで、広がりある生活空間へとつなげる
こうした工夫によって、住まいは「今の自分」にふさわしいかたちへと育まれていきます。
住まいは「建てたら終わり」ではなく、「暮らしとともに育てるもの」。
過去を大切にしながら、今の暮らしに目を向け、未来へと繋げていく——
それが、今という時代にふさわしい住まいのあり方ではないでしょうか。
もし日々の暮らしの中に、少しでも違和感や不満があるなら。
思い切ってリノベーションによってその課題を解消し、
さらなる豊かさを育む住まいへと、一歩踏み出してみませんか。